ご挨拶

 

 われわれ山形大学消化器・一般外科(第一外科)では,消化器すなわち食道・胃・小腸・大腸・肝・胆・膵疾患および乳腺・甲状腺疾患を扱っております.それぞれの医師はそれぞれの専門分野を持ちながら、片寄りなく全身を診察できる能力を有し,いつでも外科分野における最良の医療を行うことを目標としております.

 

 毎朝8時から1時間以上にわたって行われるカンファレンスには教授,助教授をはじめ医局員全員が参加し、重症患者、術前・術後の患者の治療方針について検討しています。ここで専門分野の枠を越えて活発に意見が出され、最良の治療方針が決定されていくのです。ベッドサイドラーニング(4〜5年),クリニカルクラークシップ(5〜6年)の学生もこのカンファレンスに参加し,「外科学においては手術だけでなく術前・術後管理がいかに重要か」を学びます.このカンファレンスによって,手術後の合併症は格段に減少し,また合併症に対する処置も素早く行えるようになりました.その結果,最近の約10年で肝胆膵外科の高難度の手術を含む400例以上で「手術死亡なし」を更新中であります.

 

 教育は,学ぼうとするものと教えようとするものがいてはじめて成り立つという理念をもち,具体的な研修目標を設定して,個々の卒後臨床研修医がそれを達成できるように努力しております.手技の修得のために独創性豊かな発想を最大限生かせるような体制を整えております.気概のある学生ならびに卒後臨床研修医が多数参画されることを期待いたします

 

第一外科の特徴世界に跳躍する診療・研究業績

 

研究テーマ: 本邦におけるNational Clinical Databaseによる消化器領域手術の

            周術期結果の検討

要旨: 2011年より日本では外科手術の術前・術中・術後の結果が入力されるようになった.

膵頭十二指腸切除術8575例をまとめ入院死亡率が2.8%であり,危険因子はBMI25,白血球数

11000以上COPD症例など13項目を多変量解析で明らかにした その他にも食道癌,胃全摘,

幽門側胃切除,右半結腸切除,直腸切除,汎発性腹膜炎手術でもNCDでの解析を行っている.

(1) Kimura W, Miyata H, Gotoh M, Hirai I, Kenjo A, Kitagawa Y, Shimada M, Baba H, Tomita N, Nakagoe T, Sugihara K, Mori M. A pancreaticoduodenectomy risk model derived from 8575 cases from a national single-race population (Japanese) using a web-based data entry system: the 30-day and in-hospital mortality rates for pancreaticoduodenectomy. ANNALS OF SURGERY 259 773-780 2014 10.1097/SLA.0000000000000263 0.35 Q1 10.75 SS SS
(2) Kenjo A, Miyata H, Gotoh M, Kitagawa Y, Shimada M, Baba H, Tomita N, Kimura W, Sugihara K, Mori M. Risk stratification of 7,732 hepatectomy cases in 2011 from the National Clinical Database for Japan. JOURNAL OF THE AMERICAN COLLEGE OF SURGEONS  218 412-422 2014 10.1016/j.jamcollsurg.2013.11.007 4.31 Q1 4.3
(3) Kurita N, Miyata H, Gotoh M, Shimada M, Imura S, Kimura W, Tomita N, Baba H, Kitagawa Y, Sugihara K, Mori M. Risk Model for Distal Gastrectomy When Treating Gastric Cancer on the Basis of Data From 33,917 Japanese Patients Collected Using a Nationwide Web-based Data Entry System. ANNALS OF SURGERY 262 295-303 2015 10.1097/SLA.0000000000001127   Q1  
 

【学術的意義】
(1)~(3)は、いずれも消化器外科の分野において国際的に評価の高いトップジャーナル

(トムソン・ロイター社のJCR2014RankにおいてQ1) に掲載されている。

木村が筆頭著者として著した(1)については、Percentileが0.35と

Top1%論文のなかでも、上位に位置している。共 同研究者として参画し

ている(2)についても、Percentileは4.31と、Top5% 論文に位置づけられる被引用数を

誇っている。

【社会、経済、文化的意義】
日本のNational Clinical Databaseでの8575例の膨大な膵頭十二指腸切除術でのリスク因子の

検討を木村が行い,またフィードバックとしては外科医が年齢や合併症などの諸因子をWebに

入力するとその患者の合併症率や死亡率が計算できるようになっている.

National Clinical Databaseの導入によって,全国での合併症率が分かるようになり,

自分の施設が全国レベルにおいて,どの位に位置するのかも分かるようになり,

国民への医療レベルアップに寄与していると考えられる.

 

 

 

 

研究テーマ:膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の診断と治療-国際ガイドラインの作成

要旨: IPMNは良性の腺腫から浸潤癌に進行する.IPMN国際ガイドライン第2版を作成し,

出版した.また第1外科では約100例のIPMNを切除し てきたが,IPMNの術前MRI診断で

腫瘍+膵管体積が重要であること,MUC染色による亜分類の重要性について報告した.

(1) Tanaka M, Fernández-del Castillo C, Adsay V, Chari S, Falconi M, Jang JY, Kimura W, Levy P, Pitman MB, Schmidt CM, Shimizu M, Wolfgang CL, Yamaguchi K, Yamao K International Association of Pancreatology. International consensus guidelines 2012 for the management of IPMN and MCN of the pancreas Pancreatology 12 183-197 2012 10.1016/j.pan.2012.04.004 0.42 Q2 21.41
(2) Takasu N, Kimura W, et al.  A pancreatobiliary-type carcinoma in situ at the periphery of a mural nodule developed from a gastric adenoma in an intraductal papillary mucinous neoplasm. Clin J Gastroenterol 3 209-213 2010        

 

 

【学術的意義】
(1)は、消化器外科の分野において国際的に評価の高いジャーナル(トムソン・ロイター社のJCR2014RankにおいてQ1)に掲載されており、 Pencentileは0.42と、Top1%論文の上位に位置する被引用数を得ている。また、Wob of Scienceに収録されている当該分野のTop1% 論文の上位にある論文である「高被引用論文(Highly Cited Paper)」にも選定されている(2016年5月現在)。これらの成果が評価され、ドイツで高名なBeger教授が編者の教科書に、代表者として木村が 執筆を依頼された.

【社会、経済、文化的意義】
主膵管型IPMNは約80%が悪性なので主膵管型と診断されれば手術適応となる.分枝型では壁在結節のあるものや,径が3cmを越えるものが手術の適応と なる.すなわち分枝型の約20%が癌とされる.分枝型の約60%は経過観察の対象となる.IPMNの自然史が十分に分かっていないこと,浸潤が明らかに なってからの手術では予後が十分に改善しないことから,3cm以上の腺腫を切除することの是非は今後の課題となっている.(1)及び(2)の研究成果は、 経過観察で大きさが増大してくるものを手術適応にすることなどが新しいIPMN国際ガイドラインに追加されている.また、膵管内乳頭粘液性腫瘍 (IPMN)に対する長年の手術及び研究により,IPMN/MCN 国際診療ガイドライン・2012年版(日本語訳)も出版されて,世界のIPMNの診断・治療方法の確立に大きく貢献している.国際ガイドラインの作成に よって世界中のIPMN患者の診断および治療指針が示された意義は大きいと考えられる.さらに、膵管内乳頭粘液性腫瘍の国際ガイドラインの著者の一人であ る木村は,山形大学医学部附属病院の第1外科の主任教授として実際の手術を通じて治療技術の普及、実践にも取り組んでいる。

(1)は、消化器外科の分野において

研究テーマ: 膵漿液性嚢胞腫瘍の検討

要旨: 膵漿液性嚢胞腫瘍(SCN)はほぼ良性の膵嚢胞性腫瘍であるが,

その自然史は分かっていない.日本膵臓学会の嚢胞委員会で木村 理班長

はSCN 172例を集計し検討した.その内,2例に肝転移を認め,悪性例が

存在することを報告した.また世界有数の施設との共同研究で2,622例の

SCNを検討 し有名な医学雑誌GUTにacceptされた.

  Serous cystic neoplasm of the pancreas: a multinational study of 2622 patients under the auspices of the International Association of Pancreatology and European Pancreatic Club (European Study Group on Cystic Tumors of the Pancreas). GUT 65 305-312 2016 10.1136/gutjnl-2015-309638   Q1  
Kimura W, Moriya T, Hirai I, Hanada K, Abe H, Yanagisawa A, Fukushima N, Ohike N, Shimizu M, Hatori T, Fujita N, Maguchi H, Shimizu Y, Yamao K, Sasaki T, Naito Y, Tanno S, Tobita K, Tanaka M. Multicenter study of serous cystic neoplasm of the Japan pancreas society. Pancreas 41 380-387 2012 10.1097/MPA.0b013e31822a27db 8.97 Q2
Gastroenterology&Hepatology
2.48

国際的に評価の高いジャーナル(トムソン・ロイター社のJCR2014RankにおいてQ1)に掲載されており、Pencentile0.42と、Top1%論文の上位に位置する被引用数を得ているまた、Wo

 【学術的意義】
共同研究者として参画している(1)は、消化器外科の分野において国際的に評価の高いトップジャーナル(トムソン・ロイター社のJCR2014Rankに おいてQ1)に掲載されている。木村が筆頭著者として著した(2)については、Percentileが8.97と、Top10%論文のなかでも、上位に位 置している。

【社会、経済、文化的意義】
膵漿液性嚢胞(SCN)は良性疾患と考えられているが,海外の報告では肝転移症例も存在する.この疾患について、木村らは日本および世界の著明な施設 (ジョンズ・ホプキンズ大学医学部, ハーバード大学医学部, ソウル大学医学部など、計44機関)と共同研究を行い,SCNの術前診断,手術方法,術後合併症などについて報告し有意義な検討を行っている.

 

 

 

 

(1) Kimura W, Tezuka K, Hirai I. Surgical management of pancreatic neuroendocrine tumors. SURGERY TODAY 41 1332-1342 2011 10.1007/s00595-011-4547-6 52.74 Q2 0.58 SS
(2) Aoki T, Kokudo N, Komoto I, Takaori K, Kimura W, Sano K, Takamoto T, Hashimoto T, Okusaka T, Morizane C, Ito T, Imamura M. Streptozocin chemotherapy for advanced/metastatic well-differentiated neuroendocrine tumors: an analysis of a multi-center survey in Japan. JOURNAL OF GASTROENTEROLOGY 50 769-775 2015 10.1007/s00535-014-1006-3 100 Q1 0
(3)                    

              Q1   SS SS
            8.97 Q2
Gastroenterology&Hepatology
2.48
木村が筆頭著者として著した(1)は、消化器外科の分野において国際的に評価の高いジャーナル(トムソン・ロイター社のJCR2014RankにおいてQ2)に掲載されている。共同研究者として参画している(2)は、消化器外科の分野において国際的に評価の高いトップジャーナル((トムソン・ロイター社のJCR2014RankにおいてQ1)に掲載されている。
内分泌腫瘍はまだ分かっていないことが多く,木村らは欧米でしか使用されていなかったザノザールを倫理員会提出後に輸入して,切除不能内分泌腫瘍症例に肝動注療法で使用してきた.NETではSSTR2, 5の発現がある場合にはソマトスタチン・アナログの投与で腫瘍の増大を抑え,カルチノイド症候群の発症を抑えることができる.最近ではエベロリムス,スニチニブなどの分子標的薬が登場し,切除不可能なNETに対しても腫瘍の縮小,延命効果を得ることができるようになってきた.
 
               
 

 

 

メール2015/5/25: 10:59

研究テーマ: 膵内分泌腫瘍の診断・外科治療

要旨: 膵内分泌腫瘍(P-NET),消化管内分泌腫瘍(GI-NET)は以前はカルチノイドと呼ばれていたが,近年では進行の緩やかなものから,未分化で増殖の速いものまでさまざま存在することが分かってきた.また通常の癌よりも予後良好と考えられてきたものの,術後比較的経過時間が長くても肝転移を起こし,致命的になることも分かってきた.KimuraらはP-NETに対して多くの症例の検討を行い報告してきた.
Kimura W, Tezuka K, Hirai I. Surgical management of pancreatic neuroendocrine tumors. SURGERY TODAY 41 1332-1342 2011 10.1007/s00595-011-4547-6 52.74 Q2 0.58
Aoki T, Kokudo N, Komoto I, Takaori K, Kimura W, Sano K, Takamoto T, Hashimoto T, Okusaka T, Morizane C, Ito T, Imamura M. Streptozocin chemotherapy for advanced/metastatic well-differentiated neuroendocrine tumors: an analysis of a multi-center survey in Japan. JOURNAL OF GASTROENTEROLOGY 50 769-775 2015 10.1007/s00535-014-1006-3 100 Q1 0
木村が筆頭著者として著した(1)は、消化器外科の分野において国際的に評価の高いジャーナル(トムソン・ロイター社のJCR2014RankにおいてQ2)に掲載されている。共同研究者として参画している(2)は、消化器外科の分野において国際的に評価の高いトップジャーナル((トムソン・ロイター社のJCR2014RankにおいてQ1)に掲載されている。
内分泌腫瘍はまだ分かっていないことが多く,木村らは欧米でしか使用されていなかったザノザールを倫理員会提出後に輸入して,切除不能内分泌腫瘍症例に肝動注療法で使用してきた.NETではSSTR2, 5の発現がある場合にはソマトスタチン・アナログの投与で腫瘍の増大を抑え,カルチノイド症候群の発症を抑えることができる.最近ではエベロリムス,スニチニブなどの分子標的薬が登場し,切除不可能なNETに対しても腫瘍の縮小,延命効果を得ることができるようになってきた.

学術的意義

(1)

研究テーマ: 膵粘液性嚢胞腫瘍

要旨:膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)および粘液性嚢胞腫瘍(MCN)は膵における“嚢胞性病変“である. これらの腫瘍は大量の粘液産生が特徴である. これらの腫瘍はいずれも膵管上皮由来である
. これらの腫瘍は臨床病理学的に異なる特徴をもっている.膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は高齢者男性の膵頭部に好発する.粘液性嚢胞腫瘍(MCN)はほとんど中年女性の膵体尾部に発生する. 画像診断学的に分枝型IPMNは「ぶどうの房」,MCNは「夏みかん」と特徴づけられる.通常型膵癌に比較して良好な予後が得られる.手術例の5年生存率は78%である.しかし,他臓器に浸潤したものや穿破したものの予後はわるい.したがって,上皮内癌の時点で診断し,手術するのが最良の治療となる.手術の適応,タイミング,方法をさらに研究していく.
Tanaka M, Fernández-del Castillo C, Adsay V, Chari S, Falconi M, Jang JY, Kimura W, Levy P, Pitman MB, Schmidt CM, Shimizu M, Wolfgang CL, Yamaguchi K, Yamao K International Association of Pancreatology. International consensus guidelines 2012 for the management of IPMN and MCN of the pancreas Pancreatology 12 183-197 2012 10.1016/j.pan.2012.04.004 0.42 Q2 21.41
Yamao K., Yanagisawa A., Takahashi K.,  Kimura W., Doi R. Clinicopathological Features and Prognosis of Mucinous Cystic Neoplasm With Ovarian-Type Stroma A Multi-Institutional Study of the Japan Pancreas Society PANCREAS 40(1) 67-71 2011 10.1097/MPA.0b013e3181f749d3 4.65  Q2
Gastroenterology&Hepatology
31/76
3.59
Takasu N., Kimura W., Moriya T., Hirai I., Takeshita A. Intraductal Papillary-Mucinous Neoplasms of the Gastric and Intestinal Types May Have Less Malignant Potential Than the Pancreatobiliary Type PANCREAS 39(5) 604-610 2010 10.1097/MPA.0b013e3181c6947a 25.24  Q2
Gastroenterology&Hepatology
31/76
1.17

は、消化器外科の分野において国際的に評価の高いジャーナル(トムソン・ロイター社のJCR2014RankにおいてQ1)に掲載されており、Pencentile0.42と、Top1%論文の上位に位置する被引用数を

【学術的意義】
我が国の死因の第1位はがんである.2013年の統計では膵癌は第4位の死亡率である.膵癌の中で,いわゆる粘液を多量に産生するものは予後が比較的よく,その解明は世界中の患者にとって有用である(1)~(3)はその解明に向けて著してきた論文であり、(1)は消化器外科の分野において国際的に評価の高いジャーナル(トムソン・ロイター社のJCR2014RankにおいてQ2)に掲載されており、Pencentileは0.42と、Top1%論文の上位に位置する被引用数を得ている。また、Web of Scienceに収録されている当該分野のTop1% 論文の上位にある論文である「高被引用論文(Highly Cited Paper)」にも選定されている(2016年5月現在)。(2)についても、Percentileは4.65と、Top5%論文に位置する被引用数を得ている。

【社会、経済、文化的意義】
膵癌の予後は極めて不良であるが癌が浸潤する前に手術で切除してしまうと命を救うことができる.木村は腫瘍の病態,手術の適応やそのタイミング,悪性の指標を画像,バイオマーカーなど様々な面から研究し,予後の改善方法を
(1)~(3)で提唱してきた.これらの知見は、山形大学医学部附属理病院外科学第一(消化器・乳腺甲状腺・一般外科学)講座の治療に活かされ、膵頭十二指腸切除術250例,膵体尾部切除術150例を実施し、入院死亡はゼロである.

得ている。また、Wob of Scienceに収録されている当該分野のTop1% 論文の上位にある論文である「高被引用論文(Highly Cited Paper)」にも選定されている(20165月現在)。これらの成果が評価され、ドイツで高名なBeger教授が編者の教科書に、代表者として木村が執筆を依頼された.

b of Scienceに収録されている当該分野のTop1% 論文の上位にある論

研究テーマ: 膵臓切除に関する解説

要旨: 日本膵切研究会という膵臓切除の学会があり,年1回の学術集会が行われ,毎回事前にテーマを決めて各施設からアンケート調査を行い,第42回まで行われている.2010年にこの研究会が母体となって膵切用語検討委員会が発足し,木村 理が委員長を任された.膵臓切除に関する解説を伴った90ページにおよぶ詳細な膵切用語集が2014年に発刊された.

文である「高被引用論文(Highly Cited Paper)」にも選定されている(20165月現在)。これらの成果が評価され、ドイツで高名なBeger教授が編者の教科書に、代表者として木村が執筆を依頼された.

社会、経済、文化的意義

主膵管型IPMNは約80%が悪性なので主膵管型と診断されれば手術適応となる.分枝型では壁在結節のあるものや,径が3cmを越えるものが手術の適

木村 理,渡邊利広 編 膵切用語解説集 金原出版     2014 ISBN 978-4-307-20331-9      
Kimura W, Inoue T, Futakawa N, Shinkai H, Han I, Muto T. Spleen-preserving distal pancreatectomy with conservation of the splenic artery and vein. Surgery 120 885-890 1996 10.1016/S0039-6060(96)80099-7  3.63 Q1 4.5
                   

応となる.すなわち分枝型の約20%が癌とされる.分枝型の約60%は経過観察の対象となる.IPMNの自然史が十分に分かっていないこと,浸潤が明らかになってからの手術では予後が十分に改善しないことから,3cm以上の腺腫を切除することの是非は今後の

(2)は、脾動静脈温存の脾温存膵体尾部切除術について著した論文(トムソン・ロイター社のJCR2014RankでQ1の雑誌に掲載、Percentileは3.63)であり、発表以来、安全で確実な脾温存の方法として急速に世界的に広まった.(1)は、その実績が評価され、日本膵切研究会の膵切用語検討委員会の下で取りまとめた内容を木村が編著者の一人として執筆した著書である。膵切除にまつわる用語は施設や医師によって異なっているが,本書は解剖学的な見地から第1人者の外科医よりシェーマ入りで詳細な解説があり,約100の用語を解剖、膵切除、再建術式、その他の術式の各項目に分類し、定義、適応疾患、術式の特徴、問題点などについて、70超の分かりやすい図解を入れて詳細に説明した図書である.本書は500部程度発行され、広く外科医の間で普及しており医療現場や今後の研究における基礎知識となることが期待される。

課題となっている.(1)及び(2)の研究成果は、経過観察で大きさが増大してくるものを手術適応にすることなどが新しいIPMN国際ガイドラインに追加されている.また、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に対する長年の手術及び研究により,IPMN/MCN 国際診療ガイド

研究テーマ: 膵内分泌腫瘍の外科治療法の概説と手術技法の検討

要旨: 膵内分泌腫瘍の外科治療法について概説した.原発巣に対しては,腫瘍核出術,脾温存尾側膵切除術,脾臓摘出術を加えた膵体尾部切除術,膵頭十二指腸切除術やまれに十二指腸温存膵頭切除術などが症例に応じて選択される.悪性度の高いもの,リンパ節転移が疑われるものには予防的リンパ節郭清を考慮する.肝転移巣に対しては外科治療が第一選択となるが,化学療法やホルモン療法などの集学的治療が重要である.膵腫瘍核出術および脾温存膵体尾部切除術の手術手技について検討している.

ライン・2012年版(日本語訳)も出版されて,世界のIPMNの診断・治療方法の確立に大きく貢献している.国際ガイドラインの作成によって世界中のIPMN患者の診断および治療指針が示された意義は大きいと考えられる.さらに、膵管内乳頭粘液性腫瘍の国際ガイドラインの著者の一人である木村は,山形大学医学部附属病院の第1外科の主任教授として実際の手術を通じて治療技術の普及、実践にも取り組んでいる。

 

学術的意義

(1)は、消化器外科の分野において国際的に

(1) Ito T., Sasano H., Tanaka M., Osamura  R.Y,, Sasaki I., Kimura W., ・・・et al. Epidemiological study of gastroenteropancreatic neuroendocrine tumors in Japan JOURNAL OF GASTROENTEROLOGY 45(2) 234-243 2010 10.1007/s00535-009-0194-8 3.13 Q1
Gastroenterology&Hepatology
14/76
4.46 SS SS
(2) Kimura W., Makuuchi M., Lygidakis N.J. 21th World congress of the International Association of Surgeon, Gastroenterologist and Oncologist (IASGO) Tokyo     2011        
(3) Kimura W., Makuuchi M., Lygidakis N.J. Hepato-Gastroenterology, Current Medical and Surgical Trends Supplement II Official Journal of the International Association of Surgeons, Gastroenterologistis and Oncologists 58 pp.268 2011 ISSN 0172-6390      

評価の高いジャーナル(トムソン・ロイター社のJCR2014RankにおいてQ1)に掲載されており、Pencentile0.42と、Top1%論文の上

【学術的意義】
(1)は、消化器外科の分野において国際的に評価の高いジャーナル(トムソン・ロイター社のJCR2014RankにおいてQ1)に掲載され、Percentileも3.13と、Top5%論文の上位に位置する被引用数を得ている。(2)は、(1)を含むこれまでの研究成果が評価され、木村がCongress Presidentとして、世界の優れた消化器に関する著明な海外の教授陣(パリ大学ビスムート教授,Leipzig大学Moessner教授など)による講演を実現するために開催した International Association of Surgeons, Gastroenterologistis and Oncologists(IASGO)の大会である.(3)は、その大会の抄録集を当該分野において定評のある学術誌「Hepato-gastroenterolgy」の別冊として発刊し、会終了後も参加者が読むことができるよう取りまとめたものである.

【社会、経済、文化的意義】
(2)は、世界55か国より著明な外科,消化器内科,腫瘍内科の教授はじめ多くの医師(参加者数:1200名)が東日本大震災後であったが,東京に集まり,主に消化器疾患についての最新の診断・治療を発表した.これにより世界レベルで消化器病学の討論が行われ,医療レベルの向上に寄与したと考えられる.また、本大会にはアフリカ,モンゴルなどの発展途上国の医師達にも参加してもらい,Oral Presentation(245件)やPoster Session(418件)を通じて発表される最新の診断・治療を通じて、世界の医療レベルの底上げに寄与する場を提供した

位に位置する被引用数を得ている。また、Wob of Scienceに収録されている当該分野のTop1% 論文の上位にある論文である「高被引用論文(Highly Cited Paper)」にも選定されている(20165月現在)。これらの成果が評価され、ドイツで高名なBeger教授が編者の教科書に、代表者として木村が執筆を依頼された.

社会、経済、文化的意義

主膵管型IPMNは約80%が悪性なので主膵管型と診断されれば手術適応となる.分枝型では壁在結節のあるものや,径が3cmを越えるものが手術の適応となる.すなわち分枝型の約20%が癌とされる.分枝型の約60%は経過観察の対象となる.IPMNの自然史が十分に分かっていないこと,浸潤が明らかになってからの手術では予後が十分に改善しないことから,3cm以上の腺腫を切除することの是非は今後の課題となっている.(1)及び(2)の研究成果は、経過観察で大きさが増大してくるものを手術適応にすることなどが新しいIPMN国際ガイドラインに追加されている.また、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に対する長年の手術及び研究により,IPMN/MCN 国際診療ガイドライン・2012年版(日本語訳)も出版されて,世界のIPMNの診断・治療方法の確立に大きく貢献している.国際ガイドラインの作成によって世界中のIPMN患者の診断および治療指針が示された意義は大きいと考えられる.さらに、膵管内乳頭粘液性腫瘍の国際ガイドラインの著者の一人である木村は,山形大学医学部附属病院の第1外科の主任教授として実際の手術を通じて治療技術の普及、実践にも取り組んでいる。